OODAループはアメリカ軍で世界の兵法や戦略理論を研究した成果をもとに開発され、シリコンバレーの起業家を中心に、アメリカのビジネスエリートに活用されるようになった思考法です。変化の激しい時代に速く的確に行動するために必要な知的技術と言えます。OODAループ第一人者の戦略コンサルタントが、日本人のためにわかりやすく、実践しやすいマニュアルとして解説したのが、『OODAループ思考[入門] 日本人のための世界最速思考マニュアル』です。本書のウェブ版である本連載ではポイントだけを、よりコンパクトに紹介します。

「早期に気づける」から、OODAループ思考は速いPhoto: Adobe Stock

現実をつぶさに観察して、ありのままに受け止める

OODAループが速い3つ目の理由は、「気づき」にあります。

目の前の現実を観察してありのままに認識することが、スピーディーかつ臨機応変な行動につながります。

展開する状況を自分の目で見ることはもちろん、人から話を聞くなどさまざまな手段で情報を収集して、今何が起きているのかをいち早くつかみます。

こうした気づきの技術を、シチュエーションアウェアネス(Situation Awareness)と言います。もともと軍事の世界で生まれた概念ですが、近年は航空機や車の自動運転などの分野でも研究が進んでいます。