ティータイムの売り上げが
2割伸びた店舗も

 充電用のコンセントが設置され、Wi-Fiも完備、机の上も広々使えるというスペースは、近年増加している「ノマドワーカー」にとって、使い勝手の良い環境といえるだろう。さらにファミリーレストランなので、ドリンクバーを頼めば飲み物も格安でおかわりし放題となる。

 コワーキングスペースでもフリードリンクがある場合も多いが、そもそもの利用料が高いことがネック。また、喫茶店なども飲み物1杯の単価が高い。そう考えると、ドリンクバーとサイドメニューの注文で数百円というファミリーレストランはコスパも最高だ。

 さらに、「ガスト」や「ジョナサン」で展開されている1人用ボックス席は、基本的には利用時間の制限もないという(店によって、混雑時は声をかけられる場合もある)。まさにノマドワーカーにとって、夢のような空間だ。

 しかし、ドリンクバーとサイドメニューのみで長時間滞在できるとあれば、最低限の注文のみで席を占拠する、という人もいるのではないか。そうした心配を北浦さんにぶつけると、次のような答えが返ってきた。

「ご利用いただいているお客様は、ドリンクバーのほか、お食事を楽しまれる方が多いですね。さらに、滞在中には追加で注文をしながらくつろがれる方も多くいらっしゃいます」

 むしろ、周りを気にしない座席の作りが居心地の良い空間を実現し、1人での来店や、追加注文のハードルを下げ、結果として来客者数の増加、客単価のアップにつながっているようだ。実際、北浦さんは、「『ガスト新橋店』では、1人用ボックス席の設置前後で、売り上げに大きな変化がありました」と話す。

「『ガスト新橋店』では、改装後にティータイムの売り上げが2割も伸びています。また、他の店舗では、ランチタイムのお客様数が5%上昇したという実績もございます」

 客の滞在時間は、ランチタイムで1時間弱、ティータイムでそれより少し長いくらいが平均だという。この時間、単身客を2人掛けシートではなく1人用ボックス席に案内することで、単身客も、2人以上の来客も、確実に案内をすることができる。1人用ボックス席は回転率を上げ、客の取りこぼしを減らす意味合いもあるようだ。