シェアオフィス大手のウィーカンパニーや内エクササイズ用バイク販売のペロトンといった注目を浴びる米新興企業の命運がニュースのトップを飾る一方で、米国の目立たない地域の経済状況が悪化していることはつい忘れがちになる。だがそれは間違いだ。地域の経済指標をみれば、中西部の財務的健全性は損なわれつつあることが分かる。貿易関税が農業や製造業などの負担になり始めたのだ。それが米経済全体に及ぼす影響は重大だ。中西部経済の活力の源である農業は、春から夏にかけて深刻な重圧を受けた。中国への農産品輸出は過去2年間に急減し、特に大豆の落ち込みが顕著だ。作付け時期の降雨が収穫量に悪影響を及ぼしたうえ、買い手が少ないことも大豆やトウモロコシの価格を圧迫した。農家はダブルパンチに見舞われた。
米中西部の経済悪化、痛みは全国に波及へ
「ハートランド」の農村・工業地帯で増す経済的苦境
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