世界経済にはかつて単純なルールがあった。米国が先導すれば、他国もそれに追随してきた。1981年の高金利、2001年の情報技術(IT)バブル崩壊、2008年の住宅ローン危機。そのいずれも米国経済の冷え込みが他国をリセッション(景気後退)に巻き込んだが、その逆はなかった。今年はその構図が逆転する年となるかもしれない。米経済は景気後退には陥っていないが、製造業はその可能性があり、経済全体も明らかに減速している。設備投資や貿易は4-6月期(第2四半期)にいずれも成長の下押し要因となった。米経済調査会社マクロエコノミック・アドバイザーズは、7-9月期もそうなったと予想する。全体として見れば、米経済は年率2%近い成長を遂げている。力強い個人消費がそれを支えているが、こちらも息切れの兆しが出ている。
世界に翻弄される米国、経済ルールにも変化の波
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