欧州債務問題や世界的な景気減速懸念が根強いが、株式市場では投資家の過度な不安感が後退する流れとなっている。だが、再び投資環境が厳しくなる可能性もあるため、楽観は禁物だろう。
こうした環境下では、下値不安が小さいと思われる銘柄を、選別の候補にしたい。そこで、PBR(株価純資産倍率)に注目する。ただ、PBRが低い銘柄に単純に投資をすればいいわけではない。
PBRが低い水準まで売り込まれた銘柄には、それなりの理由がある。米国などの景気減速や円高などによる収益圧迫が懸念されて、売り込まれた銘柄もあるだろう。収益性や利益効率性が低い企業は、景気後退局面では、利益水準の低下幅が大きくなる。反対に、収益性や効率性が高い企業は、企業を取り巻く経営環境が悪化しても、底堅い業績が期待される。
具体的にはまず、金融を除いた東証1部上場企業で、PBRが低いほうから2割に入っている銘柄を選別する。次にその中で、予想営業利益÷予想売上高の値が高い銘柄を選ぶ。表は、こうして選んだ銘柄群である。