「彼女へのクリスマスプレゼントまでは削らなくても」「自分へのご褒美の分ぐらいは奮発しなきゃ」

 このように、行動経済学的な観点から見れば、年末は気分的に消費が底上げされるのは当たり前なのです。

 冒頭でお話した「ジョニ黒」もそれと同じ。友人が引っ越して、そのお祝いに駆けつける。それで、以前差し入れした「ジョニ黒」を彼が「あれ、このウィスキー滅茶苦茶おいしい」と言ってくれた。そういうときは、財布の紐とは関係なく、消費はプライスレスになります。そして、こうした「特別な消費は別腹だ」という思考に基づく消費行動がそこら中で行われ、それが集まると経済統計の数字にその影響が如実に表れるものなのです。

消費の冷え込みは
こんな感じで始まる?

 今回の増税でも、おそらくそのような現象が起きて、消費の冷え込みはこんな感じで始まるはずです。

・【10月】増税のインパクトにみんな気づいて、消費に対してやや警戒感を抱き始める。ただ、ポイント還元などが宣伝されている効果で、前回よりは緩い節約となり、消費支出はやや下がる程度。

・【11月】警戒感は続くものの、年末が近づいて冬物を買ったり、飲み会や食事会の数が増えたりして、そこそこ消費をする。消費支出はやや下がる程度。

・【12月】冬の外気は寒いけど、消費マインドはこの時期暖かく、特別な気持ちで消費を続ける。消費支出はやや下がる程度。

 こういう感じで、前回と違って思ったほど消費が冷え込まない3ヵ月間を、小売業界は経験することになりそうです。