弾劾手続きがまだほとんど進んでいないにもかかわらず、いくつかの憲法規範が、メディアによる指摘も政治的な懸念の明示もないままに、踏みつけられつつある。すなわち、情報機関内の内部告発者は、単に告発するという理由で、行政特権という大統領の持つ権利を踏みにじることができるのだろうか?
それは、ドナルド・トランプ氏と外国首脳との会話に関するニュースに興じる際に民主党やメディアの中にあらかじめ備わっている見方のようだ。始まりはウクライナの大統領との電話だった。その後、30日にリークされたのは、トランプ氏がオーストラリアのスコット・モリソン首相に話した内容だ。民主党はここに来て、他の首脳との電話の記録を見たがっている。
「これは隠蔽(いんぺい)だ」。ナンシー・ペロシ下院議長は先週、そう言明したが、それが本当ならこれは大統領史上、最も無能な隠蔽工作だ。トランプ氏は一部にしろ、全てにしろ、内容が漏れないように、もしくは議会から報告を求められないように会話をすることが一切できないようだ。まるで行政部門の誰もが下院議長のために働いているかのようだ。トランプ氏はウクライナの大統領との電話の内容と、内部告発者の文書を公開した。それでもまだ隠蔽を非難されている。