もう1つは心身の健康を失うリスクである。

 緊張状態が続き、血圧を上げる働きを持つアドレナリンや、興奮を伝達するノルアドレナリンが放出され続ける状態は心臓に負担をかけ、狭心症、心筋梗塞を招くこともある。最悪の場合、死に至りかねない。ストレスから不眠、イライラ、抑うつなどが生じやすくなり、心身症、不安症、うつ病など心の病に至る危険性も高まる。

 依存症に陥ると、自分で自分の行動がコントロールできなくなる。だが、やめたくてもやめられない原因が病気であることは認めようとしない。これは“否認”といって、依存症の症状のひとつとされる。

 では、仕事依存症から立ち直る方法はあるのだろうか。

「まずは、自分が仕事依存症であるという事実を受け止めることです。そして行動パターンを変えてみましょう。『最低7時間の睡眠時間を確保する』『夜〇時以降は仕事をしない』などと決め、生活習慣を改めるのです。スポーツや趣味など、仕事以外に打ち込めることを見つけるのもおすすめです」と渡辺氏。

 シンプルな方法に思えるかもしれないが、通院し、不調を抑え込んだとしても、やみくもに働きすぎてしまう自分を変えないかぎり問題は解決しない。最悪の事態を招く前に冷静に自らを振り返り、健康的な生活を取り戻す努力をしたい。