米政界がこのところ騒がしくなる中、弾劾をめぐる議論でのドナルド・トランプ大統領の政敵らに対する猛攻撃は、次第にその頻度と大胆さを増している。一部の人々は、そこに1つの戦略があると見ている。現時点でのその戦略は以下のようなものだ。トランプ氏は、下院の民主党議員らに弾劾訴追に踏み切るよう挑発する可能性がある。どんな形であれ、弾劾訴追は実現する可能性が高いため、それに備えて中核となる支持層をできるだけあおり立てておく必要がある。その後、弾劾手続きの舞台は上院へと移る。上院は共和党の仲間が支配しているので、忠実な大統領支持派グループが、大統領に無罪を言い渡す。そうなれば、トランプ氏は身の潔白を主張できるかもしれない。同氏の支持者らは、これまで以上に怒り、鼓舞されることになろう。さらにボーナスも付いてくる。前副大統領のジョー・バイデン氏がウクライナでの怪しげな動きに関わっていたことをトランプ氏が再三指摘することで、バイデン氏が民主党のトップ候補の座から滑り落ちる。これは、再選を目指すトランプ氏の大統領選挙本選での対戦相手が、バイデン氏よりも弱いエリザベス・ウォーレン氏になることを意味する。
トランプ氏弾劾の行方、上院共和の守りに不安要素
上院共和4議員が再選を狙う激戦州での選挙戦が弾劾の先行きを左右する可能性
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