【たちまち増刷!!】

『最後の頭取』
河谷禎昌 著
定価:本体1,800円+税
発行年月:2019年2月
判型/造本:46判上製
頁数:288
ISBN:978-4-478-10651-8

☆「日本経済新聞」「朝日新聞」「北海道新聞」掲載で話題沸騰!
☆紀伊國屋書店札幌本店 ビジネス書ランキング1位


☆各メディア書評で大反響!
『週刊東洋経済』『週刊エコノミスト』『週刊朝日』『週刊ポスト』
『NIKKEI STYLE』『日刊ゲンダイDIGITAL』
など

「バブル期の金融業界の当事者たちによる回顧・分析本は多くありますが、本書の生々しさは秀逸です」

☆経済評論家・森永卓郎氏も絶賛! 
「本書は、平成を振り返る時に欠くことのできない歴史資料であると同時に、転換期の犠牲者となった男の波乱万丈の人生を描く、読み物としても面白い、秀逸なドキュメンタリーだ」(週刊ポスト)

◎標的となった拓銀と私
「特別背任罪」で実刑判決
 1年7ヵ月間、刑務所へ

大手銀行トップで収監された唯一の男が
ついに明かすバブル経済の真実

 

【著者からのメッセージ】

「私は無実だ」

 2019年1月8日の東京地裁、特別背任事件で逮捕・勾留された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長は、こう訴えました。
 その悲痛な姿に、私は20年前の自身の姿を重ねていました。

 1997年11月17日、北海道拓殖銀行は巨額の不良債権を抱えて経営破綻しました。
 13代目頭取の私は、図らずも「最後の頭取」となりました。
 都市銀行の経営破綻は国内初で、当時としては日本金融史上最大の破綻でした。

 バブル崩壊後、多くの破綻した金融機関の経営トップが、不正融資や不良貸し付けにからみ、相次いで刑事責任を問われましたが、私もその一人となったのです。
 リゾート開発グループ向けの追加融資について、「回収の見込みがないのに自己の保身を目的に融資を続けた」とされ、日産のゴーン被告と同じ特別背任罪に問われました。

 1999年7月の初公判で、私は無罪を主張しました。
 すべての融資は、銀行の損失を最小化するための経営判断として行ったこと。
 自己保身という意識はかけらもなかったのです。

 しかしながら、10年におよぶ法廷闘争の末、最高裁で有罪が確定。
 2009年から約1年7ヵ月、70代半ばにして刑務所で服役しました。
 刑事責任を問われた金融機関の経営トップの大半は執行猶予がついたり、無罪になったりしており、大手銀行のトップで刑務所に収監されたのは結局、私一人でした。

 私をずっと支えてきてくれたのは、元拓銀の行員でもある5歳年上の姉さん女房、節子です。
「上にへつらってまで出世する必要はない」といつも言ってくれていたことで、私は信念を貫くことができました。

 破綻してから20年にも渡り、マスコミの取材を断ってきたのは、節子が強く反対したためです。
 あの時の嫌な思いが忘れられなかったからでしょう。
 破綻前後は昼夜を問わず、マスコミが自宅に押しかけましたが、彼女は体を張って私を守ってくれました。

 そんな節子は、2017年5月に先立ちました。
 私たちには子どもはおりません。
 破綻から20年が過ぎて、自分にけじめをつけるため、『最後の頭取』を書きました。
 銀行員という職業を通じて、私は昨日までの常識やルールが一夜にして変わる場面に何度も遭遇しました。
 そして、心臓が凍るような修羅場も経験し、多くの失敗も重ねました。

 これから皆さんも、形は違えど、時代の転換期に直面するかもしれません。
 そんな時、どうすればいいのか。
 私の体験記から、何かしらの教訓を見つけて、自らの人生に生かしていただければ幸いです。

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<目次>
第1章 天国から地獄へ
第2章 刑務所暮らし
第3章 司法と私
第4章 トップとビリ
第5章 バブルの実相
第6章 合併構想
第7章 破綻の真相
第8章 「特別背任」という罪
第9章 バブルとは何だったのか
第10章 旅の終わりに