
経済財政諮問会議に臨む植田和男日銀総裁=6月25日、首相官邸で Photo:SANKEI
政策金利1%引き上げ、30年ぶり水準
日銀推計の「中立金利下限」に到達
日本銀行は6月の金融政策決定会合で政策金利を1%に、約30年ぶりの水準にまで引き上げた。
1%という政策金利水準は、日銀が従来示してきた中立金利、つまり長期的に経済をインフレでもデフレでもない状況(つまり2%の物価目標値にインフレが収斂=しゅうれん=した状態)にする均衡金利のレンジ1.0~2.5%の下限でもある。
日銀は、今回の利上げについて「物価の上振れリスク」の強まりへの対応を挙げる一方で、「金融はなお緩和的な状況が続いている」として、今後も「利上げ継続」の姿勢だが、政策金利が、推計値とはいえ、中立金利レンジの下限に達した状況で、今後、市場などの注目は、今回の利上げ局面、いわば金利正常化の「最終ゴール」の水準に集まってくる。
だが問題は、中立金利レンジに到達したという判断をどのような景気指標でするかだ。
1990年代以降の米国を参考にすると、中立金利の水準とISM製造業指数の動きには一定の関係が見て取れる。
このことから考えると、日本では、PMI製造業指数や日銀短観の業況判断指数(DI)のほか、経済の中でも金利に最も敏感に反応する住宅関連指標の動きが一つの判断基準になる可能性がある。
だが、こうした指標を注目するにしても、なお今の中立金利の推計値が適切であるとも限らない。今後の利上げ見通しでは、「二つの予測」を準備しておく必要がある。







