地方の中小企業の
業務支援にも

 稲田さんは、仕組みのポイントについてこう話す。「異なる規模・業種の会社での事業支援の経験は、これまでの自身の仕事や働き方を客観的に見つめ、視野を広げることにつながるのではないでしょうか。またチームでのプロジェクトワークのため、同じ時期に育休を取っている他社のワーキングマザー仲間ができ、お互いに仕事のフィードバックをすることでスキルを高め合っていけると考えています」

 今後は、子連れでワーケーション(「仕事〈ワーク〉」と「休暇〈バケーション〉」を組み合わせた造語)を体験するプログラムも検討しているという。また、受託先は都内だけでなく、地方の中小企業の業務支援にも拡げ、全国展開していく予定だ。

 特に、人手不足が叫ばれる地方の中小企業と、意欲的な育休中女性をマッチングすることで、新たな雇用の創出となることも目指す。さらに、完全リモートによるプロジェクトワークの方法も探っており、地域を超えたマッチングを推進していく方向だ。

 ママステラが目指すのは、このような育休中の女性に対する支援を通じて、最終的に「子育て中の人であっても、罪悪感なく働き続けられる社会を作ること」だという。

「家族や職場のみんなと『働くって楽しい』という思いが共有でき、多様な人材を戦力として見る社会になっていったらいいですね」

 出産・育児という新しい経験をすることは、今までと異なる角度で物事を見られるようになったり、多様な発想ができるようになったり、あるいは限られた時間のなかで効率よく働く習慣が身についたりと、パワーアップのチャンスでもある。そんな彼女たちの存在は、職場の上司や同僚にとってもプラスになる――そう周囲が捉えることは、「女性活躍推進」のために制度や保障を充実させることの次に、大事なことかもしれない。

(藤崎雅子/5時から作家塾(R))