魚をたくさん食べる人ほど、狭心症や心筋梗塞などのリスクが下がる、という大規模な疫学調査の結果が今年の1月に発表された。魚中心の食生活にお墨付きをもらい、魚好きにはうれしい話だが、そうなると今度は魚の有害物質汚染が気にかかる。

 魚を食べることを推奨してきたFDA(米国食品医薬品局)は、魚の水銀汚染に関連して魚食の制限勧告を2年前に出している。日本の厚生労働省も3年前に、“水銀を含有する魚”に関する警告を出しているが、なぜか日本人が大好きなマグロには触れていない。

 週1回、好物の鉄火丼を食べても大丈夫なのか? そんな不安を抱える人が飛びつきそうなのが、「デトックス」という有害物質を排出して体内浄化を行う健康法だ。今までの健康法は体によいものを摂ることが中心だったが、デトックスは、体に溜まった毒を外に出して健康の維持増進を図ろうというものだ。

 現代人が日々蓄積している有害物質(有害金属や有害化学物質)とは、カドミウム、水銀、ヒ素、アルミニウム、鉛、それにダイオキシンなどだ。これらは、体に必要な必須ミネラルの働きを妨げ、体調不良や肥満、老化現象を引き起こすと言われている。

 人間の体は本来、有害物質を解毒したり排出する仕組みを備えている。しかし、栄養バランスが崩れたり有害物質が増えてくると、その排出が追いつかなくなる。そこで、有害金属などを体から排泄させる働きのあるミネラルやビタミンを補給し、排泄を助けてやろうというのがデトックスの考え方だ。水銀の場合は、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、セレニウムなどが排出を促進するミネラルである。

 デトックスを行うには、まず自分の体にどのような有害物質が溜まっているかをチェックする必要がある。体内の有害物質の量は、毛髪を分析することで測ることが出来る。郵送で行える毛髪ミネラル検査は今、大繁盛だという。