「日本ではまだ認知度は低い病気です。ただ2017年にこの病気も含む『持続性知覚性姿勢誘発めまい(以下、PPPD)』という病気が、めまいの国際学会で新たな慢性の病気として発表されました。これまで原因不明とされていためまいのほとんどが、この病気だった可能性があります。

 また当科では、持続性知覚性姿勢誘発めまいのうち、恐怖症の要素が強いものを、恐怖性姿勢めまいとして対処してきました。

 私の印象では、女性、特に中高年以降の患者さんが多いような気がします」

 医師の説明に、目の前が明るくなっていくように感じた。

 その後、体を動かした方が回復は早いという説明とともに安全に動くコツを教わり、さらに恐怖心を和らげる薬を処方されて帰宅。1週間後の再診時には、めまいは半減。頭痛・吐き気は消え、まだふらつくものの1人で歩けるまでに回復した。

「帰宅した後、最初は家の中を歩き、徐々に夫とともに近所を散歩するなど行動範囲を広げていきました。先生の説明で、めまいの正体が分かりましたし、寝ているよりも動いた方がいいと分かって安心できたことが大きかったと思います。

 今後もめまいは起きるかもしれませんが、もう、ここまでこじらせることはないはずです。

 それにしても、人間って繊細ですね。恐怖心があんな病気を引き起こすなんて。驚きです」

(医療ジャーナリスト 木原洋美)