目の痛み、肩こり、頭痛、食欲不振、不眠、イライラ等々。これらの原因はすべて「見る」ことに関連していたこに気が付き、眼科医を受診したら意外な診断でした。
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異常な疲れやすさからの
焦点が揺れる、不思議なめまい

(だめだ、なんか調子悪い)

 直美さん(仮名・41歳)はたまらず、PC画面から目をそらした。肩は凝ってパンパンに張っているし、目の奥が乾き、熱を持ってジンジンいっているような気がする。

(今日はもう、PC作業はやめておこう)

 終業時間まであと少し、デスク周りの整理などをして時間をつぶすことにした。窓の外に目を向けると、かすみがかかっているように見えて気持ちが悪い。

(この頃やけに疲れやすいのよね、どうしちゃったんだろう)

 その夜は積極的に体を休めることにして、電子レンジで熱くしたタオルで目を温めたり、炭酸ガスの出る入浴剤を使ったりしてリラックスし、早寝した。

 しかし疲れはとれなかった。まずPCの細かい文字を見るのがつらい。なんと表現したらいいのか、根気が続かず、いらいらしてくるのだ。目の奥が重たく押されるように感じ、我慢していると頭がずきずきと痛くなってきたので頭痛薬を飲んだ。

 不調はその後も治まらなかった。

 目の痛み、肩凝り、頭痛、食欲不振、不眠、イライラ等々、いわゆる不定愁訴的な症状が続き、仕事がぜんぜんはかどらない。朝起きるのもつらいし、帰宅後は疲れ果て、子どもの話を聞いてあげる気力もない。

(これって、もしかしてプレ更年期かも。もう40代だから、不思議はないよね)

 自己判断し、更年期や血の巡りによいとされる漢方薬を飲み始めると、なんとなく症状は軽くなったように感じたが、ある日、ショックなことに気が付いた。不思議なめまいだ。夕方近くになると目の焦点が合ったり合わなかったりして、周囲が揺れているように見える。立っているのが怖くなり、乗り物酔いに似た感じ。