【著者からのメッセージ】

『自分のままで、圧倒的に美しい』
佐伯裕介 著
定価:本体1,500円+税
発行年月:2019年10月
判型/造本:A5並
頁数:144
ISBN:9784478109106

 はじめまして、メイクアップアーティストの佐伯裕介です。
 僕は普段、アジア圏を中心に、国内外のファッション誌や広告、ランウェイショーをはじめとするさまざまな現場で、モデルや女優のメイクをしたり、一般の方向けのメイクレッスンを行なったりしています。
 人種も、顔立ちも、年齢も違う人たちにさまざまなデザインのメイクをする中で、僕は「メイクは大きく2つに分けられる」ということに気づきました。
ひとつは、流行のメイクやコスメで顔を飾って美しく見せるもの。そしてもうひとつは、顔のバランスを整えたり、パーツを際立たせたりすることで、その人がもともと持っている美しさを引き出して美しく見せるものです。
 前者は、雑誌やSNSなどにたくさんの情報がありますが、後者については、あまり紹介されることがありません。
 ですから、僕が『自分のままで、圧倒的に美しい』でご紹介したいのは、後者の「自分の美しさを引き出す」メイクです。

 人の顔には、顔立ちや年齢にかかわらず、「ここをこうすると誰でも美しく見える」という、共通したポイントがあります。そのポイントさえ踏まえれば、どんな人でも確実に美しく見えるメイクが完成します。
 たとえば、ベースメイク。美しい顔に入る光と影は、どんな顔立ちや年齢でもみんな同じです。顔の中の明るくしたいところ、影がほしいところの位置を覚えて、ファンデーションの塗り方を工夫するだけで、誰もが立体的な小顔に見えるようになります。
 アイメイクも同様です。一重や二重など目の形はそれぞれ違っても、「上まつげの生え際に最も近いところが暗くなっている」というのが、誰の目元も自然かつ印象的に引き立つ、共通のポイント。これを実現するアイシャドウの入れ方は、「アイホールに沿った丸」より、「まつげの生え際に沿った横長の四角」です。

 これらは僕が、誰にどんなメイクをするときも必ず行なっている、その人本来の美しさを引き出すテクニック。メイクにかけられる時間が限られているときや、まるでメイクをしていないかのようにナチュラルに仕上げなければならないときにも、絶対に省かない大切な押さえどころばかりです。

 実践していただくと、きっと「何をしているのかわからないのに、いつもと全然違う!」「もとがいいから、そんな薄いメイクで済むのね」なんて言われてしまうほど、ナチュラルなのに段違いの効果を得られるはずです。
 また、ポイントメイクで迷いがちな色味やトーンは、特にアジア人の肌になじみ、映えるものを、選び方の基準とともにご紹介しました。

 今はいろいろなメイクがあって、「ナチュラルが好き」「コンサバが落ち着く」「雰囲気のあるものがいい」など、好きなものを自由に選べる時代です。だから、飾り方や使うコスメは、その人しだいで構わないし、それがその人らしさにもつながると思います。
 けれど、メイクの基本的な目的は、「自分を美しく見せる」ということ。それをきちんと実現できるテクニックを知っていてこそ、どんなメイクも、メイクした顔も、本当の輝きを放ちます。

『自分のままで、圧倒的に美しい』では、「なぜそうするのか」という理由とともに、これらのテクニックをわかりやすくご紹介しています。

佐伯裕介(さえき・ゆうすけ)
メイクアップアーティスト(eight peace所属)
ヘアサロン勤務を経て独立した後、世界的メイクアップアーティスト和田吉元氏に師事。2009年にフリーランスとし活動を開始。2010年に渡米。帰国後は、雑誌、広告、映像、ショーメイクなどを幅広く手掛け、日本をはじめ、韓国、中国などアジア圏を中心にグローバルに活躍。計算し尽くされたメイクテクニックと、仕上がりの圧倒的な美しさが話題となり、アジアを代表する女優・モデルから「ここぞ!」という仕事で指名されるなど、絶大な信頼を得ている。人種、年齢、顔立ちに関係なく、すべての人の顔を「誰が見ても美しいと感じるバランス」に導くメイク法は、メイクのテイストや流行に左右されない、普遍的なテクニックとして支持されている。
インスタグラム https://www.instagram.com/yusukesaeki/