香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は16日、大規模な反政府デモが4カ月前に始まって以降、初となる施政方針演説を行った。社会問題に焦点を当て、住宅価格が世界トップクラスの香港でより手頃な価格の住宅整備を進める考えを示した。林鄭長官は当初、16日午前に演説を行う予定だったが、議場に入ると民主派議員らが「(デモ隊が求める)5大要求、1つも欠けてはならない」と叫んで騒然となったため、ビデオ録画での演説を余儀なくされた。林鄭長官は演説で、低所得世帯や学生向けの支援など社会問題に的を絞り、近ごろの社会的不満の主因とみている慢性的な住宅不足の解消に言及。コストの低い住宅の供給を増やし、初めて住宅を購入する人が住宅ローンを利用しやすくするための施策を講じると表明した。