共有オフィス賃貸を手がける米ウィーワークの幹部は創業当初、共同創業者アダム・ニューマン氏のオフィスに毎週集まっていた。ユダヤ教の神秘主義思想の普及を図る組織「カバラ・センター」の講師と共に学ぶためだ。当時、最高経営責任者(CEO)を務めていたニューマン氏と妻のレベッカ氏は、ロサンゼルスやニューヨークなど世界40都市に拠点を持つカバラ・センターに関わっていた。自己啓発を交えたスピリチュアリティー(精神性)とユダヤ教の神秘主義思想カバラを組み合わせることで、同組織は歌手のマドンナや俳優のアシュトン・カッチャーなど、有名人の信奉者を集めていた。ニューマン氏が同組織に関わっていたことが、創業間もないウィーワークの事業を支えていた。ニューマン氏は組織の指導者らを通じて富裕層の人脈を広げた。関係筋によると、信奉者の少なくとも2人が初期のウィーワークに資金を投じているほか、複数のウィー幹部は同組織の信奉者だった。ウィーワークが掲げるコミュニティー重視の理念は、同組織の教義に影響を受けており、ウィーワークのオフィスや保養所では同組織の講師らの姿がよく見られていたという。