米プロバスケットボール協会(NBA)加盟チーム「ヒューストン・ロケッツ」のゼネラルマネジャー(GM)、ダリル・モーリー氏がツイートした香港デモへの支持表明が事実誤認に基づくものだと考えたのは、ロサンゼルス・レイカーズの選手のレブロン・ジェームズ氏だけではなかった。非常に多くの中国支持の「インターネットトロール(ネット上でしつこく嫌がらせ行為の「荒らし」を行う人々)」も、まったく偶然ではあるが同じ意見だった。
モーリー氏の10月4日のツイートは、国際的な騒動を引き起こし、世界一の人口を誇る中国でのNBAの未来に暗雲をもたらした。17万件近いツイートの確認作業と、情報戦争研究の専門家たちの分析から分かったことは、モーリー氏が組織的な嫌がらせ攻勢の標的になったということだった。
米シンクタンク「大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)」デジタル科学捜査研究所の上級研究員のベン・ニモ(Ben Nimmo)氏によると、モーリー氏のツイート直後の12時間、ヒューストン・ロケッツのGMである同氏のアカウントには、中国政府支持のアカウントからのコメントが殺到した。これらコメントの中では、1万6000回も彼が名指しされた。
ニモ氏は「投稿の多くは、人間がキーボードで打ち込んだように見える。これは主としてボット(自動プログラム)による集中攻撃ではない。暴徒化したトロールによるものだ。対処は一層難しい」と語った。