私たちが気づかないうちに弱気相場入りした可能性はあるのだろうか。表面だけを見ていれば、その質問は妙に思えるだろう。弱気相場はピークから20%の下落と定義されるのが普通だが、S&P500種株価指数は史上最高値までちょうど1%だ。これは強気市場そのものであり、上昇ペースが遅いだけだと笑い飛ばされるに違いない。しかし、他の尺度はほぼいずれも、昨年に弱気相場が始まったことを示唆している。S&P500種指数を掘り下げれば、同指数も相当に暗いメッセージを発している。株式相場が下落に向かうなら、歴史家は世界的な弱気市場が2018年1月26日に始まったと指摘するだろう。この直後、株価はボラティリティーショックに動揺した。以来、米ドル建てで見れば、ドイツ株と新興国市場は19%、ユーロ圏と欧州連合(EU)離脱問題を抱える英国の株式市場は14%、日本株は5%、それぞれ下落している。
米株に忍び寄る「ステルス」弱気相場
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