怒りにまかせた言葉の暴力、同僚は職場を追われた

 東京都に住む専業主婦の女性(32)も、西塔さんが指摘する「物事の本質が見えなくなってしまった」一人かもしれない。自分の思い通りにいかないことから、過剰に人間関係を閉ざした状態が続いている。

 女性は、街コンで知り合った夫と4年前に結婚した。夫は清潔そうな印象で、最初から好感を持てた。20代で結婚し、多くの人から祝福を受けた。

 結婚から半年ほどたって、1通のLINEが入った。それほど仲が良かったわけではないが、高校時代に吹奏楽部で一緒だった同級生からの久しぶりの連絡だった。

「今度、結婚することになりました。式に来てもらえますか?」

 こんな趣旨の連絡だった。別の同級生にも同じように式への案内が来ていて、「私1人では行けない」と言われたため、仕方なく参列した。新婦との交流の再開はその後、何年も心をかき乱され続けるきっかけとなった。

 あるころ、頻繁にLINEがくるようになった。

「お茶しませんか」

「少し話したいことがあるんだけど」

 当時は仕事をしていたため、多忙を理由に断っていた。だけど、直感はあった。子どもができたに違いない。さらに半年ほどたって、その直感が当たっていたことを人づてに知った。

「自分の方が先に結婚して、こんなに子どもを欲しがっているのに、『なんで後から結婚したあの子が授かったのか』ってずっと思っています」

 他人の子どもの話題が苦しくなった。子どもの話題を目にしないよう、SNSは一切やめた。LINEも本当に親しい家族や友人だけとの連絡手段としてのみ使うなど、他人との意図しない接触を避け続けている。