米国は国防戦略で中国などの脅威に対抗することをうたっているものの、議員や政府関係者らの間ではアジアには十分な資源配分がなされていないとの声が強い。昨年発表された国家防衛戦略(NSD)は、中国の軍備拡大やその「略奪的な」経済政策を重大な懸念として挙げた。ただ、アナリストらによると、アジアを担当する国防総省のインド太平洋軍には必要な変化がほとんどもたらされていない。インド太平洋軍は、長らく太平洋軍(PACOM)として知られてきた。ある米当局者は「NSDを実行に移すためにPACOMに十分な資源が与えられているかという問いに対しては、答えはノーだ」と語った。南シナ海などにおける中国の軍備拡張に米国は対応を迫られてきた。オバマ前政権はアジア重視への転換を打ち出したものの、資源配分などが十分ではないとの批判も招いた。