時代を切り開き、世界をつなぎ、コミュニティーを構築する富豪から、独占状態を守り、ヘイトスピーチを広め、選挙を不正に操作する悪の化身へ――。マーク・ザッカーバーグ氏の転落が止まりそうにない(ただ富豪であることは変わらないから、多少の救いはある)。議会公聴会に出席した同氏は、議員の非難を聖人のごとく受け止めている様子だった。公聴会の表向きの目的は、フェイスブックが導入しようとしている暗号通貨(仮想通貨)「リブラ」について議論することだった。しかし公聴会は再び、カメラの前でザッカーバーグ氏をいじめる場と化した。同氏はプライバシーの侵害から反競争的行為、「フェイスブックのせいで市民権運動の果実が無に帰している」との主張まで、あらゆる事柄をめぐって激しい非難を浴びた。