植物由来の人工肉を製造する米ビヨンド・ミートが28日発表した7-9月期決算は、一見すると非常に良い内容だった。だが非常に良いだけでは、高い株価を維持するには不十分だ。同社の7-9月期の売上高は前年同期比3倍超の9200万ドル。純損益は930万ドルの赤字だった前年同期から410万ドルの黒字に転換した。いずれも市場予想を上回ったが、この日の時間外取引では株価が下落した。同社が示した通期売上高予想は上方修正とはなったものの、10-12月期が市場予想の範囲内とみられることから売りを誘った。JPモルガン・チェースのアナリスト、ケン・ゴールドマン氏はこう話す。さらに視点を広げると、7月につけた不合理な最高値からは半値の水準に下がったとはいえ、ビヨンド・ミートの株価はまだ割高すぎるというのが純然たる事実だ。28日終値をベースにした株価売上高倍率(PSR)は約16倍の水準にある。29日には新規株式公開(IPO)後のロックアップ期間が終了し、同社の株式の約81%が市場に出回ることになる。ファクトセットのデータによると、これを踏まえて株式の4分の1程度が空売りされている。
ビヨンド・ミート黒字化、それでも投資家には苦い味
好決算だけでは株価下押しの重力には逆らえない
有料会員限定
あなたにおすすめ