日本一難しい大学として名を馳せる「東大」。近年は、現役東大生が人気クイズ番組に出演するなど受験生以外からも注目を集めています。さらに、予備校の現代文講師として多くの入試現代文を読んできた小柴大輔氏は、東大入試で出題される現代文は「今読む価値のある本はコレだ!」という東大からの提示であり、現代に考えるべきテーマでもあるといいます。つまり、東大の現代文を読み解くことで、現代人が身に着けておくべき「読解力」「記述力」養成にもつながるのです。そこで今回は、『東大のヤバい現代文』(青春出版社)から、実際に東大の入試で出題された問題の一例を紹介します。
東大が先取りしていた「情報化時代とプライバシー」の論点
インターネットを利用することが当たり前となった現代。今新たに問題として取り上げられるようになったのが、圧倒的な情報強者としてのグローバルIT企業です。
ある種の個人情報、プライベートな嗜好データが、グーグルやアマゾンに蓄積されています。課題文の筆者・阪本さんが「データ・ダブル(分身)」という言葉で語っているのも、これらに伴うものです。