貿易保護主義によるダメージがなければ、米国経済はどれほど成長していただろうか。ドナルド・トランプ大統領の政策については、こう仮説を立てずにはいられない。30日に発表された第3四半期の米国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比1.9%増となった。政治的目標のために有害な経済政策を実施すれば、経済学者アダム・スミスの仕返しを避けられないことが再び示された。リセッション(景気後退)に対する警戒感の高まりにもかかわらず、経済は引き続き成長した。そのほぼ全てをけん引したのは個人消費だ。前期に続き、企業の設備投資の減少を力強い個人消費が補う形でプラス成長を達成した。1.9%の伸びのうち政府支出の寄与度はわずか0.35ポイントで、純輸出と総民間投資の減少(寄与度はそれぞれマイナス0.08ポイントとマイナス0.27ポイント)を相殺した。
【社説】米貿易政策にアダム・スミスの仕返し
保護主義が貿易にダメージ、経済はオバマ前政権のペースに減速
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