血糖値スパイクの兆候
昼食後の眠気やだるさを放置するのは危険です Photo:PIXTA

健康診断では正常なのに…
心筋梗塞の一歩手前⁉

 半年ほど前、とある50代の男性が心筋梗塞を起こし、病院に運ばれてきました。

 心筋梗塞は、心筋に酸素や栄養素を送る血管が詰まり、血流が止まって心筋の一部が壊死(えし)することで起こります。早期発見だったため死には至りませんでしたが、心筋梗塞は日本人の死因第2位である心疾患の一つです。

 検査の結果、男性は血管が固くなり血流が悪くなる「動脈硬化」の状態であることが分かりました。しかし、話を伺うと健康診断で異常を指摘されたことはないといいます。さらに見た目もスリムで、メタボリックシンドロームでもありませんでした。

 これはもしかして……と思い、日常生活についていくつか質問をしてみると、以下のような回答がありました。

・朝食を抜くことがある
・昼食は短時間で食べられる丼、麺、サンドイッチなどが多い
・昼食後、仕事が手につかないほどの眠気に襲われる
・午後は疲労感が抜けない
・午後や夕方にイライラすることが多い
・夕飯の時間が遅い、21時以降のことがある
・夕食後に空腹を感じ夜食を食べることがある

 中でも男性が強く訴えたのは、「昼食後の眠気」でした。

上記の質問に3つ以上
当てはまるなら要注意!

 これらの食生活、そして食後の眠気や疲労感、イライラは、血糖値の急上昇、急降下によって起こり得る症状です。このことから、動脈硬化の原因は「血糖値スパイク」ではないかと思い、検査を進めました。そして、糖尿病の診断方法の1つである「糖負荷試験(OGTT)」を行ったところ、血糖値の変動に異常があることが分かりました(※OGTT:水に溶かしたブドウ糖を飲んでもらい、30分、1時間、2時間後の血糖値を測定。健康診断では分かりづらい、食後の血糖値の変動を知ることのできる検査です)。

 この男性の場合は、「血糖値スパイク」が動脈硬化の原因の一つになっていたのです。

 しかし、このような血糖値の問題は健康診断では分かりづらいのが現状です。もし、先ほどの男性への質問項目に3つ以上当てはまるようなら、あなたも「血糖値スパイク」に陥っているかもしれません。