前回は、健康診断の結果を簡単に読み解くポイントや数値改善につながる食事の実践方法をお伝えする中で、血糖値の値にも触れ、血糖値が基準よりも高値になる人は、肥満、食べ過ぎ、糖質の過剰摂取(主食、お菓子、清涼飲料水など)、野菜不足といった生活習慣を送っていることが考えられるとご紹介しました。今回は、血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、値の高い状態が慢性的に続く疾病=「糖尿病」について詳しくお伝えしたいと思います。

ラーメンに半チャーハン、おにぎりにカップラーメンなどの炭水化物の重ね食べはNGです

 健康診断等で血液検査をした際に、空腹時血糖値が126mg/dl以上かつHbA1c値(*)が6.5%以上で糖尿病と診断されます。また、空腹時血糖値、HbA1c値のどちらかが高値の場合は再検査が必要になります。

 空腹時血糖は、前回の食事から10時間以上絶食した状態で計測するため、検査前に何かを食べると本来より高い数値が出てしまいますので注意しましょう。

 *赤血球中のヘモグロビンのうち、糖と結合しているものの割合を示します。この検査値により、過去1~2ヵ月間の平均的な血糖値の状態を把握することができます。

自覚症状がほとんど無い「糖尿病予備軍」

 糖尿病は命の危険を感じるような重篤な自覚症状が無いまま進行する病気です。最初の症状は、喉が渇く、体重が減ってきた、尿の量が多い、足がしびれるといった、普段の生活で少し気になるけれど、人によっては気に留めない軽微なものになります。

 「自分は大丈夫」「糖尿病だと認めたくない」などと思わないで、こうした症状がある人は病院を受診して早急に治療や食事改善を始めましょう。糖尿病が進み、動脈硬化、神経障害、網膜症、腎症などの合併症が進行していくと、失明や足の切断、透析など生活の質や命にも関わってきます。

 実は、病院で糖尿病と診断されても、他に深刻な自覚症状が無いため、「病院に行く暇がない」「再検査が面倒だ」などの理由でそのままになってしまっているという人が多いのも現実です。