その上で、日本再生戦略(案)は、将来のわが国経済社会のあるべき姿として、「共創の国」づくりを提唱している。新たな価値を創出していくには、異質な存在や新たな知識に「開かれた心」を持って「交流」し、「混合」して自らをも「変容」させていく必要があるとして、「活力に溢れ世界を魅了する日本」「誰にも居場所と出番がある全員参加型社会」というビジョンを打ち出している。

 また、「活力に溢れ世界を魅了する日本」を実現するための政策の視点としては、規制改革や人材戦略、グローバル経済のダイナミズムの取り込み、日本のプラットフォーム(活動拠点)化、わが国のプレゼンスの強化などをあげている。

「居場所と出番がある社会」実現に向けた政策の視点としては、女性の活躍、若年世代の育成、中小企業の育成、地方の活性化等をあげている。いずれも総論としては、それほど大きな異論が生じる余地は少ないものと考えられる。

 II.震災・原発事故からの復活、では、原発依存度を低減し、グリーンへシフトすることを謳っており、これも方向性としては大方の市民の肌感覚に沿ったものであろう。

 以上、見て来たように、日本再生戦略(案)は、総論部分については、比較的市民のコンセンサスが得やすい内容となっているのではないか。

総論と各論が
別個のように見える

 日本再生戦略(案)は、この後、各論に踏み込み、(1)更なる成長力強化の取り組み(8戦略)、(2)分厚い中間層の復活(3戦略)、そして(3)世界における日本のプレゼンス強化、という3つの観点から、日本再生のための具体策として、11の成長戦略と38の重点施策を明示している。

 本来なら、最も興味をそそられる部分であるはずだが、不思議なことに各論の部分に入ると、読んでいて興趣が失せてしまうのだ。これは何故だろうか。