半導体メーカーは光明を見いだした。だがそれにはコストがかかる。台湾積体電路製造(TSMC)、米インテル、韓国サムスン電子をはじめ半導体大手はより小型かつ高速のプロセッサーを作るためにしのぎを削っている。その新境地を切り開くのが、極端紫外線(EUV)を用いたシステムなど、新型の生産ツールを必要とする最先端の製造プロセスだ。EUV技術を用いれば、従来の露光光源で可能なレベルよりも電子回路の微細化が格段に進むとして注目されている。だがEUVツールは非常に高価だ。半導体加工設備全体を導入するとなればなおさらだ。半導体メーカー向けEUVリソグラフィー装置を製造する最大手のASMLは、7-9月期(第3四半期)に7台のEUVシステムを販売し、7億4300万ユーロ(8億2700万ドル=約898億円)の売上高があったと認めた。1台当たり約1億1800万ドルという計算になる。こうしたシステムは工程管理や試験のために付随設備も必要となる。そう考えると今や最先端の半導体加工設備を新たに導入すれば、数十億ドル単位の費用がかかる。TSMCは2年前、たった1台の新システム導入に200億ドルを費やす計画を明らかにした。