赤字にならない理由【1つ目】
――おお!! すばらしい。1つ目から教えてください。
能作:まずは
「技術を磨いて、製品の品質を高める」
です。
当時の能作はオリジナル商品を持たず、「技術を売る立場」でした。ピラミッドでいうと、一番下に位置する下請け業者です。
――下請け業者だったのですね。それは大変だ。
能作:はい、大変でした。
そこで、鋳造の技術を向上させて品質を高めれば、「問屋さんに認めてもらえる」と考え、徹底して技術力の向上に努めました。
僕が高岡にきたとき、能作の鋳物は特に評価が高かったわけではありませんが、技術を磨き、10年ほど経った頃には、問屋から「能作さんは、きれいな鋳物をつくる」「高岡で1、2を争う鋳物屋」と認めてもらうことができたのです。
積み上げた技術力があったからこそ、後の「自社商品開発」が実現しました。
――技術という下積みがあったわけですね。2つ目を教えてください。