米オレゴン州ポートランドに住むコートニー・ニューナムさん(30)は初めて中国を旅行した際に、屋台の列に並んだ。定番の駄菓子であるアメをかけたサンザシの実の串刺し「糖葫芦(タンフールー)」を買おうとしたのだ。その時、彼女は屋台の店主に誰もお金を払っていないことに気付いた。「みんなコードをスキャンして歩き去るだけ。私は『ちょっと待って、何なのこれは』って感じになった」とニューナムさんは語る。そして彼女は、何も買わずに立ち去った。中国はこれまでも決して観光客が過ごしやすい場所ではなかった。しかし最近は、ほとんどすべての物が堅苦しい正方形に姿を変えたようだ。ちょうど中国で多くのシステムのロックを解くために必要な決済アプリ用QRコードのように。