中国の消費者にとって最悪の時期は脱したのだろう。だが投資家にとって絶好の時期ではない可能性がある。2019年半ばまで世界2位の経済国の買い物客はどん底の状況にあった。貿易戦争が製造業の雇用を直撃し、自動車セクターはきりもみ降下。食品価格は天井知らずで、揚げ句の果てに人民元相場が大きく下落した。2019年1~9月の都市部の実質所得は前年同期比で5.4%上昇にとどまり、2008年以来の低い伸びだった。それでも中国電子商取引最大手アリババグループが11日に開催した恒例の「独身の日」セールでは売上高が2680億元(約4兆1680億円)と、昨年の記録を楽々と塗り替えた。アリババや吉利汽車控股(ジーリー・オート)、好未来教育集団(TALエデュケーション)といった消費関連株は、9月以降そろって10%余り上昇した。