トルコ政府がワシントンの法律事務所を使って、米国内で反体制派に関する情報を集めていたことが分かった。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領が大きな敵と見なす政治運動への関連が疑われる人物が対象で、米国の住民も含まれている。トルコの極秘文書の内容をウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した。それによると、情報収集はワシントンのトルコ大使館の指示で行われ、トルコの検察当局に送られた。活動家らの間では、これらの情報が、エルドアン氏が敵だと見なす人物の捜査に利用されるとの懸念が出ている。エルドアン氏は、米国在住のイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン師が2016年に起きたクーデター未遂事件の首謀者だと主張しており、今回の文書からは、トルコ政府がギュレン師に関連する個人や組織への嫌悪を強めていることが改めて浮き彫りとなった。エルドアン氏は、米国側にギュレン師の身柄引き渡しを要求しているが、米当局者はギュレン師の関与を示す証拠が不十分だとして、これまで引き渡しに応じていない。