中国でネット通販事業の確立を目指したアマゾン・ドット・コムの取り組みは今年7月、現地事業の大部分を閉鎖したことで頓挫したように見えた。しかし実際には、アマゾンの中国事業はかつてないほど大きくなってる。中国のメーカーや販売業者を積極的に勧誘し、中国以外の消費者に商品を販売するよう促してきたからだ。そして、これら販売業者の出品物が今、アマゾンのサイト上で見つかった問題ある商品で高い比率を占めるようになっている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の調査でこうした実態が明らかになった。WSJは先に、アマゾンのサイトで5月~8月に販売されていた商品1万0870点で問題が見つかったことを明らかにした。米国の安全基準を満たしていなかったり、虚偽のラベルが貼られていたり、米国法に定める警告を表示していなかったり、規制当局から禁止されている商品だったり、といった具合だ。アマゾンはこれら商品を調査中だとしており、WSJの報道後に一部の商品はサイト上から削除された。