年率3%や5%のリターンは可能なのか?

 前述の簡単な試算では、純貯蓄額が十分でない場合でも70歳まで働くこと、そしてその間しっかり運用することで、2000万円を準備できる可能性が高くなると説明しました。でもこの3%や5%のリターンを得ることはできるのでしょうか?

 ここで公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)を考えてみます。GPIFの資産配分は現在、日本債券が35%、外国債券が15%、日本株式が25%、外国株式が25%となっています(つまり株式50%、債券50%)。適度なリスク水準ですので、老後の資産形成のよい参考になると思います。GPIFが推計した各資産の期待リターンを用いると(2017年度の基本ポートフォリオの定期検証時のもの)、ポートフォリオ全体の期待リターンは3.7%と計算されます。したがって、3%のリターンはそんなに無理をせずに獲得できると思います。一方、5%を狙うとなると株式の比率が6~7割は必要となりますから、ハイリスク・ハイリターン型の資産配分になってしまいます。20年という長期間を考えているので、このくらい株式が多くても個人的には問題ないと思いますが、心配な人は3%の運用を前提として毎月の積立額を決めるのが賢明でしょう。

 今回は2000万円を形成するための戦略について記述しましたが、いかがでしょうか?いずれも雲をつかむような話ではなく、比較的実現性の高いものですので、老後資産の形成が十分ではない方は、20年間、3%のリターンで積立投資をさっそく実践してみることをおススメします。

今回の川柳
2000万 無理難題では ありません

(アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長 後藤順一郎)

※本記事中の発言は筆者の個人的な見解であり、筆者が所属するアライアンス・バーンスタイン株式会社の見解ではありません。