成功しても続く
社会的重圧

 こういった韓国の社会事情が、韓国人アイドルの自殺が多発することに影響していることは間違いないだろう。そして、自殺への直接の引き金になりやすいのが、ネットの中傷である。

 掲示板やSNSに書き込まれる中傷コメントは「悪プル」と呼ばれている。「悪」とReplay(返信)を足したネット用語だ。悪プルをよく書き込む者は「悪プラー」と呼ばれている。

 政治家や人気タレントなどが心ない中傷コメントに悩むことは世界中で起こっているが、韓国の場合、どんな人気タレントにも中傷コメントを執拗に書き込み、精神的に追い詰めてやろうとする「悪プラー」がかなりいて、場合によってはサーバー管理側が削除しきれないほど集中することもある。

 その背景には、韓国が儒教の影響を受ける厳しい年功社会であり、常に倫理的な監視がつきまとっていることがあるのではないか。日常の重圧からくるストレスのはけ口を、人気タレントに向けているわけである。だから、タレント側も倫理的に隙があると集中攻撃を受け、びくびくして過ごす羽目に陥る。「整形」や「枕営業」などと、あることないことを言われるのは日常茶飯事である。

 自殺したソルリも、一度、ノーブラであることがわかる画像をSNSに上げたことで、あとあとまで罵詈雑言を受け続けていた。特に、ソルリの自殺は彼女がそういった韓国社会に反抗しようとして、奔放さを表に出したことへの反発が大きかったのだろう。

 韓国では人気タレントには高い倫理観が求められる。いや、「人気タレントは高い倫理観がなければならない」というルールを口実に、罵詈雑言を浴びせようとすると言ったほうが実態に近いかもしれない。