香港政府が強める実力行使、習氏の意向鮮明にPhoto:Reuters

【香港】中国の習近平国家主席が香港の反政府デモを断固として鎮圧するよう要求したことで、香港政府は過激さを増すデモ隊との消耗戦にますます入り込んでいる。

 習氏は先週、訪問先のブラジルで、香港の最重要課題は暴動を収束させ、秩序を回復することだと言明。それ以降、香港警察はデモ隊を力でねじ伏せる傾向をさらに強めている。デモ隊の一斉逮捕に向け大学キャンパスを包囲したほか、催涙ガスやゴム弾を大量に発射。自動小銃や短機関銃を携行した狙撃兵や警官を初めて配備し、実弾を使用する可能性もあると警告した。

 香港指導部は、実力行使の姿勢を強める一方で、衝突が続いている間は対話できないとして、話し合いを通じた問題解決への意欲もほとんど見せていない。

 その後の19日には、「覆面禁止法」を無効とする香港裁判所の判断を中国当局が激しく批判。本土当局にとって不都合な香港の司法判断については、無効にするための措置を取る構えを示した。