香港デモPhoto:Billy H.C. Kwok/gettyimages

 香港の住民らの抗議行動や香港政府との衝突は収束する気配はない。

 香港駐留の人民解放軍の増員や隣接の広東省での“テロ訓練”などの実施が伝えられている。かつての「天安門事件」のように中国政府が強硬手段に踏み出すことはないのか。

 イギリスから中国に返還された1997年を挟んで、香港で10年間の研究生活を過ごした筆者は、「香港の近未来」で3つのシナリオを想定しているが、なかでも香港政府と住民が妥協して問題が収束するという状況は最も可能性が低いとみる。

返還から22年
「中国の分裂」に緊迫

 筆者が香港にいた当時、1997年までは、香港市民のほとんどは返還について、株価と不動産市況を動かすファクターとして関心があっても、返還そのものには全く無関心と言っても過言でなかった。

 それが今や、政府への抗議活動は「光復香港・時代革命(香港を取り戻せ、革命の時代だ)」といったようなスローガンを掲げ、高校生までが参加するようになっている。