早いもので忘年会シーズンの到来である。部長あたりから半分フォーマルな忘年会の企画者、幹事に任命される人もいるかもしれない。「これって仕事ですか?」「残業代請求してもいいですか?」と聞きたくなる人もいると思うが、それについては後ほど述べるとして、まずは、こうした職場全員、部の全員、場合によっては50人から100人にもなろうという大勢の人が集まる忘年会がいかほどのものか、考えてみたい。
会社にとって忘年会の意義とは?
求められる硬軟の絶妙なバランス
まず、部長や会社にとって忘年会は重要なものかと聞かれるとどうだろうか。間違いなく、とても重要である。1年間の仕事をさらっと振り返り、うまくいったなら、「うまくいって万々歳」とみんなを鼓舞し、ダメならばなお一層みんなの気持ちを奮い立たせる契機にしたい重要なイベントである。会が終わった後、「いろいろあったけどやっぱりうちの部はいいなあ。来年は頑張って(もっと)成果を出したいな」と、絆を深める場なのである。
次に、秩序のあるイベントか、それとも無秩序な人の集まりであるのかについて。人の集まりにおける秩序化の度合いのコントロールは大変難しい。堅すぎるとつまらないし、柔らかすぎると烏合(うごう)の衆になる。人によっては無秩序を好む人もいるだろうが、職場の人間が一堂に会するような半分フォーマルな忘年会というのは仕事の延長線上にあるものだから、そこそこ堅めに、しかし一部、笑いや無礼講的な雰囲気も忘れずという、絶妙な線を狙わなくてはならない。
では、この空気を実現するために、全体のシナリオを作り込んだ方が良いか、それともタイミングを見計らって、偉い人や若手のスピーチを入れるくらいのゆるやかな段取りをしておくのが良いのかである。特にシナリオを作り込まなくてもスピーチする人の力量が高ければ話だけで場が盛り上がるが、スピーチがつまらなければ、なんだかなあと白けた感じになって、参加者は早く帰りたくなってしまうだろう。ゆえに、確実に場を盛り上げるため、若手の芸などを組み込んで、きっちり、かっちり仕込んでおこうということになる。