感謝祭で休暇モードとなった11月最終週、米大統領選をめぐる動きは総じて静かだったが、その中で遠方から聞こえてきた地鳴りは前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が起こしたものだった。大統領選出馬を正式に表明した億万長者のブルームバーグ氏は、ある戦略を打ち出している。それは、最近の大統領選の歴史では最も遅い段階で本格参戦し、最も大きな差を挽回して指名を獲得するというものだ。同氏は現在、全国規模の世論調査では大きな後れを取っている。他の候補者らの立場は、同氏を無視する者と、歩調を乱す日和見主義者だと見なす者とに分かれているようだ。ブルームバーグ氏の出馬は、現在の民主党候補者の顔ぶれがドナルド・トランプ大統領を倒すには弱すぎるということを前提にしている。そして、自分なら党指名を勝ち取る方法で常識を覆せるとの想定に基づいている。同氏の出馬は、以下の3つの大きな問いを提示している。こうした問いへの答えが、指名獲得の可能性を左右することになる。