「ゲームっていいもんだな」と伝えたい
自分の向かうべき方向はどこなのか。僕は、行き詰まっているときにずいぶん迷いました。自分にとって格闘ゲームとは何なのか? それを理解することが新しい自分の始まりになりました。
僕がたどり着いたのは「ときどを通して、『格闘ゲームっていいもんだな』と伝えたい」という思いでした。
僕は小さいころからずっと格闘ゲームへの情熱だけで生きてきて、友人やライバルはもちろん生きがいまで与えられました。
20年目で挫折したからこそわかった、格ゲーの面白さや奥深さ。どんなときも僕を支えてくれるコミュニティーのつながり……。僕が感じているゲームの面白さやポテンシャルを、一人でも多くの人に知ってほしい。これが今の、僕のポリシーです。
「ゲーム=自分」になる怖さと責任
思いを伝える方法は画面の中だけではありません。インターネットを通じた配信やメディア対応も大切な仕事となります。
僕を通してゲームを知ってもらうということは、裏を返せば僕を通してゲームのイメージを持たれてしまうという怖さがあります。その場だけ取り繕っても見ている人にはわかるもの。勝つためだけではなくそのような意味でも、普段からきちんとゲームに向き合う必要があります。詳しくは『世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0』でも書いていますが、筋トレをして体を鍛えることも同様です。大会で勝つための準備であると同時に「プロゲーマーはアスリートである」という思いも伝えたいのです。不健康でネガティブなイメージを持たれたくはありません。
近年はゲーム関係以外の企業が、僕をスポンサードしてくれるようにもなりました。それはこのような格闘ゲームへの思いや取り組みを理解してくれてのことだと思います。とてもうれしく、ありがたいことです。