一流プレイヤーほど「自分」がある
僕から見て強いと感じるプレイヤーは「プロはどうあるべきか」「自分はどうなりたいのか」がしっかりあると感じます。人それぞれ内容は異なりますが、「借り物ではない」ポリシーや考え方が、口には出さずともプレイからにじみ出ています。
「ストリートファイターシリーズ」を代表するプレイヤー、梅原大吾選手であれば「立ち回り」から流れるように技を決めて会場をわかせます。立ち回りとは、プレイヤーそれぞれが自由に動ける、シームレスな状況での攻防です。これは一朝一夕にできることではありません。「人真似ではない、自分だけのプレイを極める」。そのようなポリシーで年以上「ストリートファイターシリーズ」を遊び続けている彼だからこそできることなのです。
2019年のカプコンプロツアーで日本人1位のボンちゃん選手であれば「勝負に対するプロの厳しさ」がプレイに出ています。重厚な守りから一瞬の隙をついて、最大級のカウンターを決めてくる。ひときわ勝負強く、気は抜けません。僕も何度も大変な負け方をしています。彼は若いころに麻雀を生業(なりわい)にしていた時期があり、その道のプロも一目置くほどの腕前です。格闘ゲーム以前から勝負の場に身を置いていた彼ならではの厳しさが体現されているのです。