英国は1人当たりの監視カメラの台数が欧米諸国で最も多い。しかし、プライバシー保護団体や規制当局が懸念を表明しているのは、政府ではなく民間企業が設置しているカメラだ。英国の小売店や不動産会社、カジノは監視慣れした同国の環境を利用し、ライブ顔認証技術(LFR)と組み合わせた独自の監視カメラシステムを導入している。LFRとは、人工知能(AI)を使用して監視カメラの映像に映った人物を即時に認証するシステムだ。店舗やビルの経営者は、万引常習犯や悪質な客を阻止するためのツールとして採用している。また企業はシステム業者が作成した監視リストを使用し、要注意人物の進入を見張っている。英国セキュリティー産業協会(BSIA)の2013年の調査によると、英国には600万台(10人に1人の割合)を超える監視カメラが設置されていた。大半は商業用だ。英国は当時、中国を除いて国民1人当たりの監視カメラの台数が最も多い国となっていた。BSIAによると、調査報告書の公表以降、その台数は増え、現在は1000万台に近づいている。
監視カメラ最多の英国、民間設置システムに懸念も
万引常習犯の阻止や客層の特定に利用も使用ルールは曖昧
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