数字に強いかどうか、ということは、小学校の算数の延長線上にあるテクニックによることが多いということを述べてきましたが、これにより、「たかが算数、されど算数」であることがわかります。

 たかが小学校で習う算数ですが、ひとつひとつ、その内容を吟味すると奥が深いものも結構あるのです。

分数の割り算はなぜ、ひっくり返してかけるのか?

 たとえば、小学校で習う分数の割り算。
  分数の割り算をするときに、割る方の分数の分母と分子をひっくり返してかけ算に直して計算しますが、「分母と分子をひっくり返してかけるのはどうして?」という質問をされた場合にスムーズに答えることができるでしょうか。

 この質問に対しては何通りも答え方はありますが、誰にでもわかるように解説しようと思うと、容易ではないことがおわかりかと思います。

 計算はコンピューターに任せておけばよいとの考えもあるかもしれません。実際、コンピューターを使えば、複雑な演算を瞬時に処理してくれます。
  しかし、人間がさまざまなことを判断する上で、数字に強いとより適切な判断ができる場合もあります。

 私たちの日常生活やビジネスにおいて、算数で学んだことをツールとして使う機会は決して少なくないはずです。
  「たかが算数」と見放すのではなく、「されど算数」ともう一度見直してみることが必要なのではないでしょうか。


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