米下院民主党は、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を支持することでトランプ政権と合意した。ヘンリー・クエラー下院議員(民主、テキサス州)が10日、明らかにした。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉か、NAFTAからの離脱を掲げて当選したドナルド・トランプ大統領にとっては、勝利となる。クエラー氏によると、下院は来週、USMCAについて採決を行う予定。クエラー氏はメキシコと国境を接するテキサス州の選出で、USMCAの批准に向けた取り組みを推進してきた中心人物。共和党や業界団体は長らくUSMCAを支持してきたが、民主党は新たな労働規定の執行に関する法的文言などを巡る懸念から、反対してきた経緯がある。議会では現在、トランプ氏の弾劾手続きが進行するなど分断しており、民主党がUSMCA支持に回ったことは、経済政策を巡り超党派の協力が実現した数少ない事例となった。