プラスチック包装の大手メーカーやユーザー企業は、世間の批判と新たな規制に迫られて廃棄物と温室効果ガスの削減方法を模索する中、長年軌道に乗ることがなかったリサイクル技術に大きな期待を寄せている。BPやダウなどのプラスチックメーカーや、コカ・コーラやダノン、ユニリーバなどのプラスチック包装のユーザー企業は「ケミカルリサイクル」という既存のリサイクル技術に注目し、試験を行ったり、多額の資金を投資したりしている。ケミカルリサイクルは薬剤や熱を使ってプラスチックを分解し、きれいで新しいプラスチックに繰り返し再生することが可能で、プラスチックの質も維持できる。業界にしてみれば、ぜひとも手に入れたい技術だ。プラスチックの質が時間とともに落ちる既存の機械的なリサイクル――プラスチックを細かく裁断し、洗浄して溶解する――と比べると、大きな進歩だ。機械的に処理された素材は数回しかリサイクルできず、ほとんどは質の低い製品に使われて、最終的には埋め立て地か焼却炉行きとなる。
プラごみ対策、既存リサイクル技術に期待高まる
「ケミカルリサイクル」は1950年代から存在する技術だが、高コストと需要不足で収益面の見通しが立っていなかった
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