人民元の国際化、データから見る厳しい現実
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――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 中国人民元の影響力は拡大していると言われてきた。人民元はいずれ、世界の基軸通貨としてドルの地位を脅かす存在になるか、最低でも、複数の基軸通貨が存在する新たなシステムの到来を告げると言われてきた。

 しかし、実際の国際的取引での人民元の利用に関するデータや、過去10年の極めて遅々とした進展状況からは、厳しい現実が見えてくる。

 国際決済銀行(BIS)が今週公表したデータは、人民元の国際的役割について悲観的な印象を与える新たな一例となった。世界最大の貿易国としての中国の規模に比して、人民元の影響力は極めて期待外れの状況にある。

 人民元の外為取引の総額は、中国の貿易総額の約14倍になっている。この倍率はユーロ、円、ドルに比べて小さい。ユーロの同倍率は約40倍となっている。ユーロ圏の貿易の多くがユーロ圏内で行われているにもかかわらずだ。円は160倍、ドルは273倍だ。