大学生のオリバー・ヒックスさん(20)が昨夏に家族の庭仕事を手伝った際、父親から小遣いの50ドルを現金で渡された。だがオリバーさんは父親にアプリ経由でスマートフォンに送金してほしいと頼んだ。「父はこう言った。『どういう意味だ? 目の前に50ドルがあるのに、なぜすぐに受け取らないんだ』」。その時の様子をオリバーさんはこう話す。オリバーさんは若者のご多分に漏れず、物理的な現金よりも便利なデジタルウオレットを好んでいる。たとえ支払いを受け取るまでに多少待たなくてはならないとしてもだ。米国では同僚へのプレゼント代や夕食代は、ベンモやキャッシュアップなどのモバイル決済サービスを使用して友人に送金することが多い。しかし、若者は現金には見向きもしなくなっており、親や祖父母は家の手伝いやベビーシッター代を払うために電子マネーの利用を余儀なくされている。