「繰延需要」論は、少なくとも筆者のこれまでの人生では、強気派の根拠のよりどころだ。だが、株式相場では、投資家は本気で買いの機会をうかがっており、米中の貿易戦争や英国の「合意なき」欧州連合(EU)離脱による大きな脅威が後退するたびに、リスク資産の値上がりが繰り返される。貿易協議がひとまず片付き、英総選挙は与党・保守党の圧勝となった今、これが株高ブーム再来の始まりなのか、それとも単に安堵(あんど)感から広がっている買いの最終局面にあるのかが問題だ。筆者は後者だと考えているが、自信はほとんどない。買いを入れる根拠は明確だ。米中間の関税引き下げは両国の経済にとって望ましく、中国銘柄にとっては追い風となる。半導体大手のマイクロン・テクノロジーやエヌビディアは12日の取引で3%超値上がりする一方、中国のマカオでカジノを運営する会社も急伸した。
株市場の大幅高、再来は期待薄か 相場の曇り払拭も
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